スポーツ施設の老朽化と統合 〜それでも、スポーツは身近にあってほしい〜
投稿日:2026.10.27
今回から何回かに分けて、スポーツ施設とまちづくりについて、私の考えをお話ししたいと思います。1回目のテーマは「スポーツ施設の老朽化と統合」です。
全国で、スポーツ施設が古くなっています
いま全国の自治体で、野球場や体育館、プールなどのスポーツ施設が一斉に古くなっています。多くは、昭和の高度成長期に建てられたものです。
一方で、施設にかけられるお金は減っています。スポーツ庁の資料では、自治体が体育施設にかける費用は、ピークだった平成7年ごろの約6割まで減っています。人口が減るなかで、すべての施設を今のまま建て替えることは難しく、施設を減らしたり、まとめたりする話が各地で進んでいます。
減らすことも必要。でも、それだけでは困る
私は、施設を減らすことも、ある程度は必要だと考えています。使う人が少ない施設を、無理にすべて残すことはできません。
ただ、忘れてはいけないことがあります。それは、スポーツが身近にあることの大切さです。
昔は、近所の空き地がそのままスポーツの場所でした。ボールとバットさえあれば、子どもたちは集まって野球をしていました。立派な施設でなくても、歩いて行ける場所で、気軽に体を動かせた。それが、地域のスポーツを支えていたのだと思います。
施設をまとめて大きく立派にしても、車でしか行けない場所になってしまえば、子どもやお年寄りは使いにくくなります。数を減らすときこそ、「身近さ」をどう残すかを考えるべきだと思います。
古い施設も、使い方しだいで生き返る
この仕事を長く続けてきて感じるのは、古くなった施設でも、使い方や用途を今の時代に合わせれば、まだまだ活用できるということです。
たとえば、利用者が減った野球場を、少年サッカーやグラウンドゴルフ、地域のイベントにも使える場所にする。設備の一部を直すだけで、使う人の幅が大きく広がることもあります。「古いから建て替える」「使われていないから廃止する」の前に、今の地域に合った使い方を考える余地は、まだたくさんあります。
大事にされる施設は、人も大事にする
施設を長く使ううえで一番大事なのは、常に手入れを続けていくことです。
ユニサスは、スポーツ施設を「造る」だけでなく、芝や設備を「守り」、運動公園を「運営する」仕事もしています。そのなかで実感しているのは、きちんと手入れされた施設は、使う人も大切に使ってくれるということです。芝がきれいに整い、ベンチやフェンスが手入れされている場所では、利用する人のマナーも良くなります。
施設を大事にすることは、そこを使う人を大事にすることでもある。私はそう考えています。小まめな手入れを続けることが、結果として施設を長持ちさせ、地域の財産を守ることにつながります。
10年後に、残したいもの
私が10年後の地域にあってほしいのは、身近に、気軽にスポーツを楽しめる場所です。年齢や体力、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツをできる場所。立派な大会会場だけでなく、ふらっと立ち寄って体を動かせる場所が、まちのあちこちにあることです。
施設が減っていく時代だからこそ、今ある施設をどう活かし、どう守っていくか。ユニサスは、造る・守る・運営するの経験を活かして、地域の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
次回も、スポーツ施設とまちづくりについて、私の考えをお話ししたいと思います。
ユニサスの施工実績・維持管理の取り組みは、こちらのページからご覧いただけます。
参考:スポーツ庁「スポーツ施設のストック適正化ガイドライン」




